SaaSの費用がじわじわ増える5つの理由|管理コストまで含めた本当のコスト
SaaSを1本、また1本と追加していくうちに、気づけば毎月の請求額が当初の想定を大きく上回っていた——そんな経験をお持ちではないでしょうか。「個々のツールは安いのになぜ高くなる?」「そもそもどこに無駄があるのかわからない」。この記事では、SaaS費用が知らないうちに膨らむ5つの構造的な原因と、月額料金には現れない管理コストという隠れたコストについて、具体的な数値とともに解説します。
月額費用は変わっていないのに、なぜ総額が増えるのか
SaaSの料金設計は「1ユーザーあたり〇〇円/月」という人数課金が主流です。1本あたりのコストはわずかでも、複数のSaaSを組み合わせ、利用人数が増えると、気づかないうちに総額が跳ね上がります。
しかも費用が増える原因は「人が増えた」だけではありません。使われていないアカウントの放置、部門ごとの重複契約、ベンダーの値上げ……複数の要因が重なって、じわじわとコストを押し上げています。
SaaS費用が膨らむ5つの構造的原因
① 人数課金の積み上がり
人数課金型のSaaSは、従業員が増えるほど費用が増える構造になっています。チャットツール・ファイル共有・営業管理ツールをそれぞれ別々に契約していると、社員10人でも月5万円を超えることは珍しくありません。
社員10人の会社での試算例
- チャットツール:700円/人 × 10人 = 7,000円/月
- ファイル共有:1,500円/人 × 10人 = 15,000円/月
- 営業管理ツール:3,000円/人 × 10人 = 30,000円/月
- 合計:月52,000円 = 年間 約624,000円
採用が進むにつれてこの金額は比例して増加します。「成長するほどITコストが増える」という構造は、人数課金型SaaSの本質的な特徴です。
② SaaSスプロール(乱立)による重複契約
「SaaSスプロール」とは、組織内でSaaSが管理されないまま増殖していく状態を指します。企業が利用するSaaSは平均46個とも言われており、IT部門が把握しているのはその60〜70%にすぎないというデータもあります。
把握されていない30〜40%の中には、部門ごとに独自に契約した「同じ機能を持つ別のツール」が含まれていることが多く、重複したコストを払い続けている状態になります。65.6%の企業でシャドーITへの対策が取られていないという実態も報告されています。
③ 幽霊アカウントの放置
退職した社員や部署を異動した社員のアカウントが削除されないまま残り、毎月課金が発生し続ける「幽霊アカウント」問題。SaaSライセンスの約30%が非アクティブ(誰も使っていない状態)というデータがあります。
SmartHRの調査では、63.9%の企業が退職者・異動後のSaaSアカウントを適切に管理できていないと回答しています。特に人数課金型のSaaSでは、使われていないアカウントでも月額が発生し続けます。
④ ベンダーの値上げとAI追加料金
2025〜2026年にかけて、多くのSaaSベンダーが料金改定を実施しています。背景にはクラウドインフラコストの上昇と、AI機能の組み込みによるコスト増があります。
さらに、ドル建てで課金されるSaaSを利用している場合、為替の影響も無視できません。1ドル110円が150円に変動するだけで、同じ機能を使っているのに実質36%のコスト増になります。「料金プランは変わっていないのに請求額が増えている」というケースは、この為替リスクが原因であることもあります。
⑤ 自動更新の見落とし
多くのSaaSは「自動更新」がデフォルト設定になっており、解約の意思表示を更新日の30〜60日前までに行わないと、自動的に1年分の契約が延長されます。IT担当者が不在だったり担当者が退職していたりする中小企業では、誰も更新日を管理しておらず「気づいたら延長されていた」という事態が起きやすい構造になっています。
「月額費用」だけじゃない——見えない管理コストの正体
SaaSの費用問題を語るとき、見落とされがちなのが「管理コスト」です。毎月の請求書には現れませんが、担当者の時間と工数という形でじわじわとコストが積み上がっています。
アカウント管理の工数を時給換算すると
社員が入社・退社するたびに、利用しているすべてのSaaSでアカウントの発行・削除が必要です。SaaSごとに管理画面が異なるため、一つひとつログインして氏名・メールアドレス・権限を設定していく必要があります。
仮に社員100名が入社し、それぞれが5種類のSaaSを利用するとすれば、500件のアカウント作成操作が発生します。入社・退社が集中する3〜4月は、この作業が本業と並行して押し寄せてきます。
ある調査では、中小企業の50.7%で専任IT担当者が不在とされており、総務・経理などが兼任で対応しているケースが多いのが実態です。時給2,000円換算で1件あたり30分かかるとすれば、500件で50万円分の人件費コストになります。これは月次の請求書には一切現れません。
情報が散在することで失う「探す時間」
ファイルはクラウドストレージ、連絡はチャットツール、議事録は別のサービス……複数のSaaSに情報が散在すると、「あのファイルはどこだったか」を探す時間が日常的に発生します。1人あたり1日15分の「探す時間」が発生するだけで、10人チームでは月に50時間近いロスになります。
管理ツールを管理するためのSaaSまで登場している
SaaSが増えすぎた結果、それを一元管理するための「SaaS管理ツール」という市場まで生まれています。管理コストを下げるために、また別のSaaSを契約する——この構造そのものが、SaaSが抱える本質的な問題を象徴しています。
あなたの会社は大丈夫?SaaSコスト肥大化チェックリスト
以下の項目に1つでも当てはまる場合、SaaS費用が必要以上に膨らんでいる可能性があります。
- ✕社内で使っているSaaSの総額を即答できない
- ✕退職者のアカウントが削除されているか確認していない
- ✕同じ機能を持つSaaSが複数存在している(または存在しているかわからない)
- ✕各SaaSの契約更新日を誰も管理していない
- ✕「誰がいつ契約したかわからない」SaaSが存在する
- ✕社員が5人以上増えたのにSaaS費用を一度も見直していない
まず取り組むべき具体的なステップ(棚卸し・幽霊アカウント削除・重複ツール統合など)については、こちらの記事で詳しく解説しています。
管理コストごと解決する選択肢——定額制オールインワンサーバー「Orcinus」
ここまで見てきた問題は、突き詰めると「SaaSが増えすぎている」という構造的な原因に行き着きます。棚卸しや見直しで一時的に削減できても、また新しいSaaSが増え、同じ問題が繰り返されます。
この構造を根本から変える選択肢が、定額制のオールインワンサーバー「Orcinus(オルキヌス)」です。
Orcinusが解決する2種類のコスト
月額費用コストの解決
ファイル共有・ビジネスチャット(Mattermost)・会計(Hieronymus)・自動バックアップ・アプリストアが1台に集約。複数SaaSを個別に契約する必要がなくなります。
管理コストの解決
サポートサブスクリプション付きで、IT担当者不在でも専門スタッフが運用をサポート。「置いて繋ぐだけ」で使い始められるため、導入・管理の工数も最小限です。
定額制だから、人が増えても費用が増えない
Orcinusは定額制(または買い切り)を採用しており、社員が5人から10人、20人と増えても月額コストは変わりません。人数課金型SaaSの最大の問題である「成長するほどコストが増える」構造から解放されます。また、データは社内ネットワーク上で管理されるため、クラウドサービスに紐づく幽霊アカウント問題も起きにくくなります。
まとめ:SaaSコストは「見えるコスト」と「見えないコスト」の両面から見直す
SaaS費用が膨らむ原因は、月額請求書に現れる「見えるコスト」だけではありません。管理工数・情報探索時間・兼任担当者の負担といった「見えないコスト」も合わせて把握することが、本当のコスト最適化への第一歩です。
この記事のまとめ
- ①人数課金の積み上がり
- ②SaaSスプロール(乱立)による重複契約
- ③幽霊アカウントの放置
- ④ベンダーの値上げとAI追加料金
- ⑤自動更新の見落とし
- +管理コスト(アカウント管理工数・情報散在)も「本当のコスト」として把握する
まず「今、何に・いくら払っているか」の棚卸しから始め、削減できる部分を整理していきましょう。それでも「SaaSを契約するたびにコストと管理の手間が増える」という構造から抜け出したいと感じるなら、定額制オールインワンへの移行という選択肢も検討してみてください。
SaaSが増えるほどコストも管理も増える——その悩み、Orcinusで解決できます。
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