ORCINUS
「SaaSとセルフホスト、結局どっちが得か」——3年トータルで比較して見えた、Orcinusという現実解 Thumbnail

「SaaSとセルフホスト、結局どっちが得か」——3年トータルで比較して見えた、Orcinusという現実解

「SaaSとセルフホスト、結局どっちが得か」——3年トータルで比較して見えた、Orcinusという現実解

これまで2回にわたって、セルフホストという選択肢の存在(第1回)と、その現実的な困難さ(第2回)を論じてきました。

第2回で示した通り、自力セルフホストには3つの壁——運用・セキュリティ・コスト——が立ちはだかります。専任のIT担当者がいない中小企業にとって、それらの壁は時に「思っていたのと違う」というギャップをもたらします。

一方、SaaSは確かに便利です。初期費用ゼロで始められ、運用もベンダー任せ。ただし、利用者が増えるほどコストは跳ね上がり、データの置き場は常に「誰かのクラウド」の中です。

では、この二者択一しかないのでしょうか?

本記事(シリーズ完結編)では、SaaS・自力セルフホスト・Orcinusの3者を、同じ条件(10ユーザー・3年運用)で徹底比較します。前置きなしで、まずは結論から。


結論:3年トータルで見たとき、一番お得なのはOrcinus

以下が、10ユーザー規模で3年間運用した場合のトータルコスト比較です。

比較項目 SaaS(個別契約) 自力セルフホスト Orcinus
初期費用 ¥0 ¥159,440〜(NAS+HDD) ¥220,000
月額費用 約¥19,450〜39,000 ¥0〜1,000(保守費のみ) ¥5,500(サポート費/キャンペーン価格)
電気代(月額想定) ¥0(各社サービス料に含む) ¥1,000〜2,000/月(サーバー24h稼働) ¥1,000〜2,000/月(同等のサーバー構成)
3年トータル 約¥700,000〜1,404,000 約¥196,000〜267,000(※運用工数除く) 約¥454,000〜490,000(電気代含む)
運用負荷 ゼロ(各社任せ) 月2〜8時間 ほぼゼロ(サポート任せ)
データ主権 × 各社クラウド上 ◎ 自社サーバー内 ◎ 自社サーバー内
カバー機能 〇 組み合わせ次第(要調整) △ ファイル中心、会計は別途 ◎ 全部入り+サポート付き
  • ビジネスチャット(Mattermost)
  • ファイル共有・グループウェア
  • 会計・経費管理(Hieronymus)
  • プロジェクト管理
  • 無償サポート(導入支援・初期設定)
  • ハードウェア保守(故障時交換対応)
  • データ移行支援(既存SaaSからの移行)
  • セキュリティパッチ・アップデート適用
  • バックアップ監視・復旧対応

これらのカバー機能をすべて含めると、実質的に「無限の価値」と言っても過言ではありません。保守・サポート・移行がワンパッケージになっていることが、Orcinusの最大の魅力です。

※ 自力セルフホストの運用工数(人件費換算)を含めると、実質的な3年コストはさらに¥300,000〜1,000,000以上増加します。詳細は前回記事のデータ編をご参照ください。

※ 電気代は15〜30Wのサーバーを24時間稼働、東京電力従量電灯B(約¥31/kWh)で試算した目安です。実際の料金は利用環境により異なります。

この表を一目見て、「いや、NAS(自力セルフホスト)が一番安いじゃないか」と思われた方もいるでしょう。おっしゃる通り、単純な数字だけ見ればNASが最安です。ただし、この比較には2つのワナがあります。


ワナ1:SaaSの「ランニングコストの雪だるま」

SaaSは「1ユーザーあたり月額〇円」という課金体系が一般的です。少人数のうちは軽微でも、従業員が増えるごとにコストが比例(場合によっては級数的に)増加します。

5人→10人→20人と規模が拡大するにつれて、月額費用は次のように変動します。

サービス 5ユーザー/月 10ユーザー/月 20ユーザー/月
Google Workspace Business Standard(¥1,360/ユーザー) ¥6,800 ¥13,600 ¥27,200
Slack Pro(月払い¥1,050/ユーザー/月・年払い¥925/ユーザー/月)(2026年7月時点) ¥5,250 ¥10,500 ¥21,000
freee(スタータープラン¥5,480/月、人数無制限) ¥5,480 ¥5,480 ¥5,480
合計(目安) 約¥17,530 約¥29,580 約¥53,680

特に気をつけたいのは、人数比例のサービス(Google Workspace、Slack)と、定額制のサービス(freeeのような会計SaaS)が混在する点です。一見すると「会計は定額だから大丈夫」と思いがちですが、チャットとファイル共有だけで人数×月額のコストが嵩みます。

これに加えて、連携用のミドルウェア(ZapierやMakeなど)やプロジェクト管理ツール(AsanaやNotionなど)を追加すると、20人規模では月額6〜8万円も珍しくありません。

対してOrcinusは、利用人数に関係なく本体価格¥220,000+月額¥5,500(サポート費)で固定です。「社員が増えたらその分支払いが増える」というプレッシャーから解放される——これはSaaSにはない構造的なメリットです。


ワナ2:自力セルフホストの「見えない運用コスト」

NAS(ネットワークHDD)を買ってきて、セルフホストで済ませる——この選択肢が最も安く見えるのは、「中の人の時間」をゼロ円で計算しているからです。

第2回の記事で詳述した通り、セルフホストには以下のような日常的な運用タスクが発生します。

  • アップデート管理:月1〜2回、OSやアプリケーションのバージョンアップ対応(30分〜2時間)
  • バックアップの確認:週1回のバックアップ取得確認と、月1回のリストア検証(15〜30分/回)
  • セキュリティパッチ:緊急脆弱性(CVSS 9.0以上)が出た場合の即時対応(不定期)
  • 障害対応:HDD故障、OSクラッシュ、ネットワーク不調などへの対応(年数回、数時間〜丸1日)
  • ユーザー管理:アカウント追加・削除、パスワードリセットなどの問い合わせ対応(随時)

前回の調査データでは、これらを合計すると月間2〜8時間(担当者兼務想定)という試算結果が出ています。人件費単価を@¥5,000/h(兼務社員の機会費用)としても、月額¥10,000〜40,000相当。年間で¥120,000〜480,000にもなります。

しかもこれは「うまく運用できている」場合の数字です。バックアップを取っていなかった、アップデートをサボっていた結果、ランサムウェアに感染した——というケースになれば、復旧コストは数百万円単位に跳ね上がります。

Orcinusが本体価格に加えて月額サポート費を請求する理由はここにあります。 その月額5,500円(キャンペーン価格)は、上の人件費換算と比較すると、むしろ安いくらいです。


Orcinusのポジショニング——「21世紀のオフコン」という思想

ここで少し、Orcinusの背景にある思想について触れておきたいと思います。私が個人的にこの製品に注目している理由でもあります。

Orcinusの設計思想は、弊社を率いる開発者が提唱する「21世紀のオフコン(オフィスコンピュータ)」という概念に端を発しています。

1980年代〜90年代、オフィスコンピュータ(オフコン)は、企業の業務処理を「ハードウェア+ソフトウェア+サポート」のパッケージで提供するものでした。ユーザーは箱を買って電源を入れれば、業務に必要な機能がすべて使えた。設定に追われることも、サービスごとに契約を結ぶこともなかった——少なくとも理想としては。

時は流れ、クラウドの時代になりました。「箱を買う」という行為は「不要な初期投資」と見なされ、月額課金のSaaSが主流になりました。しかし、その代償として企業は「サービスの数だけ契約とIDと請求書を管理する」という新たな煩雑さを抱え込むことになります。そして、データは常に「預かりもの」です。

Orcinusは、この「オフコンの思想」を現代に復活させようとしています。違うのは、中のソフトウェアがオープンソース(Mattermost、Sambaなど)であり、外部との連携もAPIで可能な点です。つまり、1980年代の「囲い込み型」のオフコンではなく、2020年代の「オープンでありながら全部入り」のオフコン。それがOrcinusの立ち位置です。

この思想を理解すると、Orcinusの価格設定にも納得がいきます。本体¥220,000はハードウェア代ではなく、「設定済み・すぐ使える状態で届ける」というエンジニアリングの対価です。月額サポート費は、「あなたの代わりに運用を引き受ける」というサービスの対価です。緻密に設計された製品と、継続的なケアをセットで提供する——これは安物のNASや、タダ同然のOSSを自分で組み立てるのとは、そもそも提供する価値の次元が違います。


三者三様の「お得」をどう評価するか

ここまでの比較を整理すると、それぞれの「お得」は以下のように分解できます。

SaaSのお得

  • 初期投資ゼロで始められる
  • 運用負荷がゼロ(ベンダー任せ)
  • モダンなUI・機能を常に最新で使える
  • ただし:人数が増えるとコストが雪だるま式に増加。データは預けたまま。サービス終了・値上げのリスクあり。

自力セルフホストのお得

  • ハードウェアを買い切れば、月額コストは限りなくゼロに近い
  • データの完全な自社管理
  • カスタマイズの自由
  • ただし:運用負荷が重い(月2〜8時間+障害対応)。セキュリティリスクは自己責任。会計など専門機能は別途必要。

Orcinusのお得

  • 人数無制限で月額固定(スケールしてもコストが増えない)
  • データは自社サーバー内(クラウドに預けない)
  • 運用負荷がほぼゼロ(サポートが代行)
  • チャット・ファイル・会計・プロジェクト管理が全部入り
  • 無償サポート・ハードウェア保守・データ移行支援まで含めたフルパッケージ
  • ただし:初期費用¥220,000が必要。カスタマイズ範囲は限定的。インターネット接続が前提。

結局、Orcinusはどんな会社に向いているのか

シリーズ3回の締めくくりとして、私なりの判断基準を明確にしておきます。

Orcinusが最適なケース:

  • 「ITに詳しい人」が社内にいない(または兼務で手一杯)
  • 従業員数が5〜30人の範囲で、今後も増える見込みがある
  • データを社外に出したくない(顧客情報・機密書類の取り扱いあり)
  • 月額のランニングコストを予測可能にしたい(固定費の安定化)
  • 複数のSaaSを個別契約する煩わしさから解放されたい

SaaSが適しているケース:

  • リモートワーク中心で、社内ネットワークの価値が低い
  • 従業員が少人数(5人未満)で固定されており、拡大予定がない
  • 各サービスの「最新機能」を常に使いたい
  • 初期費用を一切かけたくない(資金調達直後など)

自力セルフホストが適しているケース:

  • 社内にLinuxサーバーを運用できる人材がいる
  • ファイル共有・バックアップが主目的で、チャットや会計は別の手段でカバーする
  • カスタマイズ性を重視し、運用の手間を厭わない
  • 予算が極めて限られており、月額コストを限界まで下げる必要がある

まとめ:選ぶべきは「コスト」ではなく「覚悟」

このシリーズで一貫して伝えたかったことは、ITツールの選択に「絶対正解」はないということです。

SaaSは「お金で手間を買う」選択肢です。毎月決まった額を支払う代わりに、運用の手間から解放されます。しかし、その金額は使えば使うほど(人が増えれば増えるほど)膨らみます。

自力セルフホストは「手間でお金を節約する」選択肢です。サーバー代を一括で支払い、自分の時間を運用に投じる代わりに、月額コストを抑えます。しかし、その「手間」にはセキュリティリスクや復旧不確実性という、見えないコストが潜んでいます。

Orcinusは、その間の「ちょうどいい」を追求した選択肢です。初期費用はかかるが、その後は定額で運用を任せられる。データは自社にあるが、管理はプロに任せられる。月額5,500円(キャンペーン価格)というサポート費用は、「安心して業務に集中するための保険料」として、合理的な価格だと私は評価します。

大切なのは、「何を諦めるか」ではなく、「何を守りたいか」です。データの主権を守りたいのか、キャッシュフローを安定させたいのか、それとも社内のITリテラシーを高めたいのか。その優先順位が、最適な選択を教えてくれます。

3回にわたるシリーズをお読みいただき、ありがとうございました。この記事が、あなたの会社にとって最適なIT環境を選ぶ一助となれば幸いです。


「全部入り」で、運用もお任せ。Orcinusという選択肢。

社員が増えてもコストは固定。データは自社で管理。面倒な運用はサポートが代行します。新しいITインフラの形を、ぜひ詳細ページでご確認ください。

Orcinusの詳細を見る →

※ 価格は2026年7月現在のものです。Orcinusのサポートプランはキャンペーン価格(月額5,500円)が適用された場合の料金です。通常価格(月額11,000円)の場合は3年トータルで¥616,000(電気代別途)となります。詳細は公式価格ページをご確認ください。
※ 本記事のSaaS料金は2026年7月時点の公開価格に基づく参考値です。実際の請求額は契約内容や為替変動により異なります。
※ 電気代は15〜30Wのサーバーを24時間稼働、東京電力従量電灯B(約¥31/kWh)での試算です。サーバー構成や地域により変動します。