Microsoft 365が値上げ——中小企業がいま考えたい代替の選択肢
Microsoftからの通知を見て、少し驚いた経営者も多いのではないでしょうか。2026年7月1日から、法人向けMicrosoft 365の多くのプランで価格改定が行われます。中小企業がよく使うBusiness Basicプランをはじめ、いくつかのプランで2ケタ台の値上げとなっており、今後の費用負担が気になるところです。
中小企業への影響——人数が多いほど、負担増も大きくなる
SaaSには「人数課金」という構造があります。5人の会社と20人の会社では、同じプランでも月々の支払いが4倍異なります。そこに2ケタ台の値上げが加わると、社員数が多いほど月々の負担増が積み上がります。
実際、Microsoftに限らず、主要SaaSの価格引き上げは近年のトレンドです。
参考:SaaSの値上げが止まらない?「構造的値上げ」時代を生き抜くITコスト削減術
自社でMicrosoft 365のどの機能を、日常的に使っていますか?
Microsoft 365にはWord・Excel・PowerPoint・Teams(チャット・会議)・OneDrive(ファイル共有)・Exchange(メール)など、多くのツールが含まれています。ただ、創業期や小規模組織では、毎日の業務で実際に使う機能は限られていることも少なくありません。
よくあるパターンはこうです。
- Teamsでチャットや簡単なファイル共有を行っている
- OneDriveで社内のファイルを共有している
- Word・ExcelはインストールしているがM365固有の機能はほぼ使っていない
- メールは別サービス(Gmailなど)を使っており、Exchangeは活用していない
「とりあえずMicrosoft 365を契約している」という会社に広く見られる実態です。特に「テキストチャット」と「ファイル共有」に限っていえば、Microsoft 365以外の選択肢もあります。
Microsoft 365が値上げ——「チャット」と「ファイル共有」だけ切り出す発想
Teamsはチャット・ビデオ会議・ファイル共有と多機能ですが、日常の利用が「テキストでのやりとりとファイル添付」中心であれば、そこだけを切り出せる選択肢があります。
オープンソースのビジネスチャット(OSSチャット)は、Slackに似た操作感を持つチームコラボレーションツールです。代表的なものにMattermostなどがあり、チャンネルでのメッセージ・ファイル共有・タスク連携などに対応しています。自社サーバーで運用すれば過去ログが無制限に保存でき、月額課金も発生しません。Orcinusに搭載されている環境では、テキストチャットとファイル添付があれば十分という組織には必要十分な機能を提供します。
ファイル共有についても同様です。OneDriveにクラウド経由でアクセスする代わりに、社内にファイルサーバーを置けば、同等の機能をランニングコストなしで運用できます。
定額で「チャット・ファイル共有・会計」を社内に持つ選択肢——Orcinus
Orcinus(オルキヌス)は、中小企業向けのオールインワン社内サーバーです。CassetteOS(ブラウザで全設定完結)を採用しており、OSSチャットやファイル共有、会計ソフトHieronymusをワンクリックでインストールして使い始められるため、IT担当者がいない会社でも導入できます。
コスト構造がMicrosoft 365と根本的に異なるのがポイントです。Microsoft 365は社員1人を追加するたびに月額が増えますが、Orcinusはサーバーを「所有」する形態のため、人数が増えても月々のサポート費用は変わりません。10人の会社が20人、30人に成長しても、追加コストは発生しません。
参考:【試算あり】チャットツールのコスト削減|人数が増えても「定額」にする賢い選び方
「使いこなせていないSaaS」に課金し続けるのが正解か?
Microsoft 365の値上げをきっかけに、一度立ち止まって考えてみましょう。
Officeとの互換性が業務の核心にある職種や、ビデオ会議・大企業との共同作業が多い業態では、Microsoft 365は引き続き有力な選択肢です。しかし「テキストチャットとファイル共有さえあれば十分」という組織にとっては、月額課金を伴わないOSSチャット等の代替が現実的な選択肢になります。
「全部入りのサービスを契約しているが、実際に使っているのはその一部」——そう感じているなら、この機会にIT費用の構造を見直してみませんか。SaaSの月額課金ではなく、「持つ」という選択肢を検討するタイミングかもしれません。