変えたいのに変えられない——SaaSの「移行コスト」という見えない壁
使い慣れたSaaSを「そろそろ変えようか」と思う瞬間は、どの会社にもやってきます。人数が増えてコストが膨らんだとき、機能が合わなくなったとき、あるいはサポートへの不満が積み重なったとき——。ところが実際に乗り換えを検討し始めると、「解約フォームを送信して終わり」という気軽さとは程遠い現実に直面することがあります。
SaaSを「変えよう」と思った瞬間に始まること
SaaSを乗り換えるとき、最初に立ちはだかるのが「データの持ち出し」という作業です。チャットの過去ログ、顧客情報、帳票データ、プロジェクトの記録——これらを新しいサービスに引き継ぐには、まずエクスポートし、形式を変換し、インポートするという手順が必要になります。
この「データ移行」の作業量は、サービスを長く使えば使うほど膨大になります。数百件のチャット履歴、数年分のファイル、蓄積した顧客データ——これらをすべて整理して移行するのに、どれほどの時間がかかるか想像してみてください。
しかも、IT担当者がいない中小企業では、この作業を社長や総務担当者が一手に引き受けることになりがちです。「月額費用を削減したい」という動機で始めた乗り換えが、結果的に割に合わないと判断され、「もう少し使い続けよう」という選択になることは少なくないのではないでしょうか。
乗り換えを難しくする「3つの壁」
① データ形式の壁
SaaSはデータをサービス独自の形式で保存していることがほとんどです。たとえばチャットツールのメッセージ履歴を別のサービスに移そうとすると、形式の違いからそのままでは使えないことがよくあります。データを変換するツールが必要だったり、手作業でのコピーが発生したりと、データ量が多いほど工数は膨大になります。
② 作業コストの壁
乗り換えを実際に進めようとすると、想定以上の手間がかかることがあります。設定ひとつに数時間を要したり、場合によっては移行作業を外部業者に依頼しなければならないケースもあります。表面的な「月額コストの削減額」より、乗り換えに費やす人件費や業者費用のほうが上回ってしまうことも珍しくありません。
③ 過去ログ・履歴の壁
チャットのやりとり、承認フローの履歴、ファイルのバージョン記録——これらが乗り換えた後に「新しいサービスでは参照できない」状態になることがあります。業務の記録として今後も参照する可能性があるデータほど、移行が困難なケースが多く、結果的に旧サービスと新サービスを並行して使い続けるという二重管理になることもあります。
「解約は自由」でも「乗り換えは不自由」
SaaSの大きな魅力のひとつは「いつでも解約できる」という柔軟性のはずです。しかし実際には、データが積み重なるほど乗り換えのハードルは上がっていきます。この状態は「ベンダーロックイン」とも呼ばれますが、難しい言葉を使わずに言えば「長く使うほど、変えにくくなる」ということです。
使い始めた頃は「気に入らなければすぐ変えればいい」と思っていたSaaSが、数年後には「変えたいが変えられない」状態になっている——このような経験に心当たりのある経営者は多いのではないでしょうか。月々の費用が気になっていても、移行コストを考えると踏み切れない。SaaSにはそういった「見えないコスト」が存在します。
もちろん、特定のサービスを深く使いこなすことで業務効率が上がる側面もあります。しかし情シス不在の中小企業では、乗り換えを主導できる人材が限られており、いざ変えようとしたときの負担が経営判断に影響してしまうことが問題です。
最初から選択肢を広げておくという発想
乗り換えそのものの手間を後から減らす方法は多くありません。それより現実的なのは、そもそも乗り換えを迫られる状況が起きにくいIT環境を最初から選ぶという発想です。
SaaSを変えたくなる主な理由は、「人数が増えて費用が重くなった」「サービスが値上がりした」「提供が終了した」といった外部要因です。こうした状況が発生しにくいITの選び方をすることで、移行コストという問題に直面する回数自体を減らせます。
Orcinusは、チャット・ファイル共有・会計機能を一台のサーバー上でまとめて利用できる、サポート付きのオールインワンソリューションです。ユーザー数が増えても追加費用が発生しない定額制のため、「人数が増えたからコストが膨らんだ、そろそろ変えたい」という状況が起きにくい構成になっています。また、データは外部のクラウドではなく自社のサーバー上に置かれるため、「サービス終了でデータを急いで移さなければ」というリスクも避けられます。
参考:会計ソフトだけは「後から変えにくい」——その理由と、最初から見直したい選択肢
SaaSの費用増やサービス終了に左右されないITを、一度ご覧ください
定額制・自社データ管理で、乗り換えを迫られる状況が起きにくいOrcinusのソリューションをご確認ください。
Orcinusの詳細を見る